◇受動進化から能動進化へ
現在生き残っている生物は自然淘汰に耐えてきた生物だ。
淘汰される生物は滅亡してしまうから存在しないのだ。
だから生物として多数派となる特性は環境に左右されるところが大きい。
自然は平等な社会なんて作ってくれないわけで、今の社会が平等だと解釈するのはかなりの無理があるし、本当に平等な社会なら人間は神なんて存在を創り出さないだろう。
政治家たちが平等な社会を作ろうと真剣に考えたところで、そんな社会は作れないだろう。矛盾を見ないようにすることで、無理やり納得するような社会しかできない。
おそらく世界を変えていくのは科学だ。
多くの人は法制度を変えることで社会は良くなるだろうと楽観的な考えを持っているかもしれないけど、その方針ではどうしても人間の生物としての特性によって行き詰ってしまうだろう。
さて、これから遺伝子の解明や遺伝子操作の技術が進んでいけば、生物を自由に作り変えるといったこともできるようになると思う。
それに伴いパソコン上で遺伝子をいじくって作り変えたときに、どんな生物になるかということがあらかじめ予想できるようになる。
そうなると遺伝子をいじくったオリジナルペットみたいなものがまず流行り出す。自由に生物を作り変えられるのだから、世界にひとつだけの生物が誕生するわけだ。
さらに技術が進んで人間の遺伝子も変えることで、自分も理想の形に創っていくことが可能になる。
脳に関わる遺伝子をいじって一般人でもIQ180になることもできるだろうし、スポーツ選手並みの体格になることも可能だろう。
この遺伝子配列はネット空間において様々なタイプが存在して、その中から選んで自分の好みの生命体に生まれ変わることができる。
完全3D・五感刺激型のネット空間においてそのタイプをお試しすることもできる。
遺伝子操作は人間の性格も変えるだろうし、外部からの刺激の感受性も変えられるだろう。
性別は生まれた時に決まるもので今までは自由がなかったものだが、遺伝子操作とか再生医療の技術を使えば性別も自分で決定することができる時代になるだろう。
もちろん、ネット空間においてシミュレーションが可能だ。
つまり、未来において人間はなりたい自分を創ることができるし、進化の方向さえ自分で決めるようになる。
今までの進化が自然環境に左右されることから受動進化と呼ぶことにすると、これからの進化は自分で方向性を決めることから、能動進化と呼ぶことができる。
受動進化から能動進化の時代へ移れば、生物の特性という壁はなくなるわけだから、理想世界を構築することも時間の問題である。
進化のスピードは今までとは比べ物にならないくらい速くなる。
進化速度が急速に上がることにより知能レベルが大幅に上がり、それにより技術の進歩や人間の生物としての進化速度もさらに上がる。
このように全ての進歩速度が指数関数的に上がっていくのである。
その結果周りの環境に関わらず、人類は自分たちを理想の形に創り上げ理想の世界を築くことができるようになるのである。
確実に人間は神に近づきつつあるのだ。
2.個性の開発
5.苦労したほうが得か、楽な生き方が得かについての不老不死的観点から見た見解
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